The side of Paradise ”最後に奪う者”
「本当のだ。
あの状態で感情の火傷なんて、どうなったらするんだよ」
綺樹が噛み付くのに、成介が笑っている。
「あなたたちのことなので、ありえるかと思いましたよ」
「あるわけ無いだろう」
成介がくすくすと笑っているのに、からかわれたのがわかり、憮然とした表情になる。
「来月はいつこちらに寄越すんだっけ?
暫くは毎月のほうがいいかもな。
こちらが夏休みになったら、今度は日本に行くから。
夏が終わる頃には、もう大丈夫だろ」
「それでフェードアウトですか?」
成介が静かに聞くと、綺樹がしばらく沈黙していた。