The side of Paradise ”最後に奪う者”
「しかしあなたとの関係が修復されて、なぜだかもの凄く落ち込んでいます。
どうしてでしょうかね?」
綺樹は予想がついたが、質問を無視した。
「涼がふてぶてしくなったら、その時には結婚するよ」
「十分、ふてぶてしい可愛げのない男ですけど?」
くつくつ笑っている。
「私の環境に対してね」
そう言って、またしばらく黙り込んだ。
「来月か」
憂鬱そうな空気が伝わってくる。
「どうやって寝るかね?」