The side of Paradise ”最後に奪う者”
それに対してまた綺樹は諭し返した。
「今の状態じゃ同じ繰り返しだって。
また、いけ好かない最低男になるだけだ」
「わかりませんよ。
あなたの心がけ次第じゃないんですか?
品行方正を心がけたら?」
「おまえだって経験者だ。
一人だけではどうとなる関係じゃないのはわかってるだろ。
堂々巡りになってきているな。
今日はこれまでにしよう。
じゃあな」
いつもながら一方的に切れた。
成介は彼女の痛みに鈍くなりきれず、嘆息した。
「おまえがこんな所で、携帯で長話とは、珍しいな」
その声に目を見開き振りかえる。