The side of Paradise ”最後に奪う者”
「どっち?
盲腸じゃないわよね」
「違う。
出血しているから、ひどい生理痛だと思う」
「珍しいわね、あなたが」
「そうだね、久しぶりだし」
さやかはある考えに一瞬息を止めた。
「医務官を呼ぶわ」
綺樹は肩に入っていた力を抜いた。
「横にならせて」
体調不良がばれてしまうと、気力が無くなったのか体をそのまま倒した。
診察はさやかの感を裏付けた。
「綺樹。
病院に行くわよ」
「病院?」
閉じていた目を開けた。
「痛み止めじゃ駄目なの?」
「無理よ。
流産しかかっている」