The side of Paradise ”最後に奪う者”
「いつでも。
祥子おばさんの容態も予想より良くて、結構自由が効きそうだよ」
「じゃあ、今夜は?」
「今夜?」
綺樹が驚いて鸚鵡返しに繰り返した。
「それは随分急だな」
涼は詰まった。
この間会ったのは1ヶ月前だし、寝たのは3ヶ月前なんだから急ではない。
とは、絶対に言えない。
遠距離恋愛相手じゃないんだ。
涼は落ち着かせようと額に手をやり目を閉じた。
「もう一度聞きますが、いつが都合がいいんですか?」
勢い語調が丁寧になる。