The side of Paradise ”最後に奪う者”

涼と始めて会ったのは、やがては会社を継ぐ者たちばかりの会食会で、だった。

多くの参加者は、いわゆる小学校から同じ学校に通っていたため、顔なじみだ。

その中で一匹狼のような雰囲気で目立った。

野生の狼が大人しくしているみたいで興味をひかれた。

話をして同じ大学の同じ学部の1学年下だとわかった。

西園寺ということで噂も、思い出した。


「でも大学から実力で入ってくるなんて頭がいいね」


それなりの会社の出身だと小学校から通うのが当然なため、少し育ちに差別的な感じを混ぜた。

涼は微妙に感じ取ったらしかったが、からりと笑った。


「いえ、馬鹿ですよ。
 所詮、私立として日本で1・2番に過ぎないじゃないですか。
 世界じゃない」


言外に瞬の学力も否定して去って行った。
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