The side of Paradise ”最後に奪う者”
6.暴かれる過去
*
突然アメリカから直通で電話がかかってきた。
一年前に自分が依頼した弁護士だという。
涼には全く覚えが無かった。
自分が希望したことによると、周囲に気づかれること無く荷物を受け取ることだという。
成介にも。
そう契約したそうだ。
事務員の旅費ももらっているから日時を指定してくれたら、日本まで届けに来るとのことに来てもらうことにした。
そこまで何を自分は警戒し、伝えたがっていたのか。
会社の近場の喫茶店で受け取った。
茶封筒には何枚かの紙とDVDが入っていた。
手紙を開ける。
間違いなく自分の字だ。
そして、よほど急いで書いたらしく、乱れた走り書きだった。