The side of Paradise ”最後に奪う者”

お決まりでバーベキューをしていたのだが、もの凄く涼の手際が良かった。

それをからかうと、肩をすくめた。


「女に料理をごちそうできると株が上がるぞ」


面白くなさそうに言った。


「そんなんで落とせる女は、たかが知れていないか」


瞬が挑発すると涼が目を光らせた。


「見てから言えよ」

「お、いいねえ。
 どこにいるんだ」


唐突に口をつぐんだ。

無言で焼きあがった骨付き肉から骨を外している。


「夏帆か?」


入り浸っている愛人の名前を言うと、否定が即答だった。


「そうだな、涼がそれほどいう女を見てみたいな」


仲間の一人も口を開いた。
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