The side of Paradise ”最後に奪う者”
自分の体を見、涼を見る。
今度はもっと強い引き戻しだった。
そうか。
おまえは生きたいの。
まだ心臓さえ出来ていないだろうに、もうそういう意思があるのか。
なかなか楽になれないもんだな、私も涼も。
そうして綺樹はさやかが来た時に、未練たっぷりに上を見上げてから、自分の体に戻った。
重力との戦い。
筋肉を動かす努力。
私を隠して、涼から。
久々のことにとても時間がかかったが、さやかはわかってくれた。
綺樹は安心して意識を沈めた。