The side of Paradise ”最後に奪う者”

「ありがとう。
 父さんから聞いた。
 毎晩、ついてくれていたって」


いくらなんでも見てたとはいえない。

涼は沈黙していた。


「それと、ごめんな。
 知人関係でやっていこうと言っていたのに、こんなことになってしまって。
 ちょっとスタートでケチがついちゃったな」


綺樹は茶化した。


「葉山の後にこんなことになったら、気持ちの切り替えが難しくなってしまうと思って、さやかに頼んだんだ。
 早く、離れたほうが言いと思って。
 気を悪くしたかな」


涼に妊娠がバレないようにとは言えないし、このことも本心だ。
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