The side of Paradise ”最後に奪う者”
涼は時計を見た。
成介はその視線の意味を読んだ。
「大丈夫です。
彼女にとってはまだまだ宵の口です。
仕事をしていないならば、男と寝ているかのどちらかでしょう」
どういう意味だよ。
なんだか腹が立つ。
成介は電話をスピーカーに切り替えた。
「はい?」
アルトのそっけない声だった。
でも若い。
場合によっては10代の少女のようだ。
胃の辺りに冷たいものが走る。
涼は手を握り締めた。