The side of Paradise ”最後に奪う者”
「この時期に記事が出てしまったの。
綺樹のことだけじゃないし、三流以下だったから把握しきれてなかった」
別画面で例の記事が映し出された。
しばらく読むのに時間をとる。
「事実、ですか?」
成介が表情を曇らせた。
「こっちは場所によっては合法なのよ。
でも昔から賛否両論でもあるの。
このタイミングでやっていて、記事が出たのは不味かったわ」
「このタイミングだったからでしょう」
思わず言葉が先に出た。
「大麻なんかに頼らなくてはいけない状況を作ったのはあなたです。
大体、責任者が逃げて、担当でも無く、状況もわからない綺樹が議場に立つとは、あなたの会社の内部はどうなっているんですか」
綺樹がいたら、さやか相手に勇気あるな、と言いそうな発言だった。