The side of Paradise ”最後に奪う者”
「切り捨てていないわ。
世間への建前だけよ」
「そう言っても、綺樹が傷つくことには変わりないでしょう」
「涼、あなたとこうして連絡をとっているのは、批判されるためではないのよ。
協力を求めているの」
成介はやっぱりと顔をしかめた。
さやかはちょっと言葉を区切った。
「合法とはいえ、麻薬がらみだから今、綺樹に出国は認められていなくて、当然入国する国もかなり限られているのよ。
マスコミから逃れるためにも隠しているわ」
「隠すことはできるんですね」
涼の皮肉をさやかは無視した。
成介は先手で釘をさした。