The side of Paradise ”最後に奪う者”
2.Tokyoの日常
*
闇と光が絶えず交錯していて。
涼は手術後に目を開けた時、何がなんだかわからなかった。
夢の中でずっと誰かと一緒だった気がした。
話しをしたり、笑いあったり、抱き合ったり。
だけど目を開けたら誰もいなかった。
恐怖を伴った喪失感に襲われた。
それは自分の事さえわからなくないからだろうか。
はとこで秘書だという男が状況を説明してくれ、なんとなく自分を取り戻し、日本に帰国した。