The side of Paradise ”最後に奪う者”
「上がるぞ」
モニターの電源を切って、立ち上がった。
「お疲れ様です」
成介は涼の使っていたカップを、下げるために手に取った。
「で、なんで綺樹に熱があるってわかったんだ?」
何気なく聞いてくる。
成介は笑った。
「突っ伏して寝ているのを見て、発作かと思って脈をとったんですよ」
涼は無言のままワイシャツの袖をおろした。
そして顔を上げた。
「成介。
綺樹とおまえがどういうことを企んでいたか知らないが、大概にしておけよ。
綺樹がこうなったのに、おまえが全く原因になってないとは言わせない。
そろそろ止めないと、おまえでも容赦しない」
背広の上を羽織ながら、涼の光る瞳が成介をひたりと見つめていた。
成介は合わせてから微笑した。
それを受けて涼も口元で笑った。