The side of Paradise ”最後に奪う者”
「いや、男性と一緒で、お邪魔をしていたなら申し訳ないと思いまして」
くつくつと笑い声がした。
「それはこの後だよ。
楽しみはとっておかないと。
ウルゴイティに跡継ぎが出来たしね。
この頃は行きずりだろうがなんだろうが、文句を言われなくていい」
「ああ、さやかさんの所にお生まれになるんでしたっけ。
お祝いをお伝えください」
綺樹が伝えておくよと言って、電話が切れた。
涼は顔面蒼白だった。
脂汗が浮いている。
「気分が悪い」
机の縁を握り締めて立った。
「顔を洗って来る」
成介はその背中に声をかけた。