The side of Paradise ”最後に奪う者”
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音楽が効いたのか、かぜの状態が治まっていくのと同時に、綺樹の状態も格段に戻ってきた。
波はあるが、回復は驚くばかりだった。
成介も涼の帰宅に時々同伴し、その度に、いい感じですねとコメントをしていた。
だが、久々に涼に泊りの出張を入れた夜、日付が変わる頃に、成介の携帯が鳴った。
「どうしました?」
「家に行ってくれ」
切羽詰った声だった。
「藤原からですか?」
成介は立ち上がって、クローゼットへ向う。