The side of Paradise ”最後に奪う者”
「だから。
あなたは。
私との仕事をきっちりとやり遂げることだけ。
考えていれば。
いいんですよ」
柔らかく、優しく、噛み砕くように囁いた。
綺樹がゆっくりと顔を上げた。
淡い色の瞳と合う。
成介はにっこりと微笑した。
「約束したでしょう?
今回、私が側についていると」
しばらく成介をみつめていたが、こくりと頷いた。
「そうだ。
約束した。
あの仕事、やり遂げていない」
「大丈夫です。
まだ時間はあります。
手遅れに、なっていませんよ」
綺樹は頷いて、グラスに口をつけた。