The side of Paradise ”最後に奪う者”
「思っていたよりも随分早いな」
「まだ三島君に走ったことを怒っているんですか?」
胡散臭そうに見る。
「その資格、今のあなたには無いでしょ。
単なる保護者で、しかもこの間、それも終了した電話をかけていましたから。
全くの他人です」
涼はおかしそうに成介を見る。
「焚きつけて、何させようって言うんだ?」
成介は無言で涼を見つめていた。
「焚きつけているわけではなく」
言葉を区切った。
「あなた、これで死ぬまで後悔しません?」
涼はまだおかしそうな表情で成介を観察している。
成介がそれ以上は語ろうとしないのに、涼は身動きをした。
「後悔か」
呟くように言ってしばらく黙していたが、低い笑い声をもらしだした。
「綺樹に関しての後悔なんて数えたらきりが無い。
よりによって瞬と続くとは思わなかったさ。
あいつはいつも男とは一晩しか関係を持たない」
苦い口調だった。