The side of Paradise ”最後に奪う者”
「家の運営の話だ。
藤原も年だ。
考えてやれよ」
綺樹は立ち上がった。
涼が藤原を見て、綺樹を見る。
「ああ、そうだな。
で、何か食べたい物のリクエストはあるのか?」
涼にも流された気がする。
そうだ。
私は口出しすべきではない。
余計なお世話だろう。
「この間、日本の新聞で、人生最後の日に何か食べたいか、著名人が載せている記事があったな。
おまえだったら?」
台所へと歩き出す。
「白いご飯に、お味噌汁。
焼き魚、納豆、おひたし」
「それでいい」
「それで、なのか?」
「それが」
綺樹の食って掛かりに涼は笑った。