The side of Paradise ”最後に奪う者”
「わかった、そうしよう」
あっさりとした承諾に胡散臭そうに見た。
「本当にわかっているのか?」
「わかってるよ」
「なにかそちらのご要望は?」
綺樹はすまして聞いた。
「そうだな」
涼は考え込む。
「籍については、おいおい考えよう。
場合によっては、おまえを守ることになるから。
子供が成人しても、出て行くこと無いさ。
その頃、おれの方が死んで、いないかもしれない。
そうしたら子供がある程度、西園寺を動かせるようになるまでサポートしてやって欲しいからな」
綺樹は涼の顔を食い入るように見つめる。
その視線の意味を読んで涼は続けた。
「今は大丈夫だ。
ただ、いつだって再発する可能性はあるからな。
ごちそうさま」
涼は箸を置いた。