The side of Paradise ”最後に奪う者”

「わかってるよ」


綺樹は小さく答えた。

涼は笑って綺樹の腰に腕を回し、ずんずんと歩いていく。

廊下の先に藤原の姿を見つけると、大声を出した。


「藤原。
 綺樹が妻に戻ったぞ。
 贈答品の寄付先を早速考えてくれるらしい」


綺樹はかなりの墓穴を掘った気になった。
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