The side of Paradise ”最後に奪う者”

「もう少し、待ちましょう。
 画像で確証が得られる時期まで」


目の笑っていない冷ややかな微笑。

居心地が悪くなり、白衣の男はモニターへ向いた。


「悪魔だな」


ぼそりと呟く。

そこまで待ったら手遅れだ。

それを受けて、笑みを広げ、彼は快活に答えた。




「西園寺に生まれた男には、昔から例外なく、悪魔の血が流れているんですよ」




---end




『子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。』(ルカによる福音書15章11-32節)


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