The side of Paradise ”最後に奪う者”
思い出せない。
思い出していないんだったら、放っておけと言われてしまった。
一切関わる積りがないとも言っていた。
解放してやると。
解放って、何だ。
息を吐いて椅子の背によりかかった。
彼女が気になって仕方がなかった。
もう一度あの目を見てみたかった。
会話をしてみたかった。
同じ空間で姿を見たかった。
彼女の動きを。
そしてあの香り。
「社長」