The side of Paradise ”最後に奪う者”
「その際はお食事でもいかがですか?」
「そうですね」
単なる相槌だ。
「お約束いただけますか?」
涼は無礼を承知で畳み掛けた。
ため息を吐いた音がした。
「難しいでしょう。
それでは失礼」
電話が切れた。
切った。
あの女。
涼は執務室のドアを叩き開けた。
秘書たちが何事かと一斉に振り返る。
「予定を見せて」
成介の机の上から革張りのスケジュールノートをとった。
「パソコンにアップしてありますが」
成介はちらりと見上げた。
「ラフのまで見たい」
最終的に決まったのしかパソコンでは見られない。