またね…
「この夕日…あと何回見れっかな…」



先輩は悲しそうに言う。



私達はお互いのことを気にして先輩の病気のことや、“死”を話したことがなかった。



だから、今日初めて真面目な話をして少し心がまた近づいた気がしたけど反対に、いつもの不安が少し大きくなった気がした。





「いっぱい見たいね。何回も一緒に見て私達にしかない思い出を作りたいね…」

「そうだな。俺等だけの思い出をもっといっぱい作りたかったな…」



「これから、まだ時間はあるよ。この一秒一秒を大切にしていこう?」


「そうだな…」





私達はゆっくりと歩きながら夕日を見て話をしていた。







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