またね…
「ちゃんと、冷静に聞いてね。」



「はい…」



きっと香奈のことだ…



「香奈ちゃんは今、精神的に大変なことになってる。このまま、放っておいたら今以上におかしくなっちゃうかもしれない。」



「それって…風邪みたいなもの?」



「たしかに一時的なものだから風邪に近いかもな。でも普通の風邪は薬で治せる。でも精神的な病気は薬がないんだ。だから、もしかしたらすごい大変かもしれない。」



「私はどうすれば…いいの?」



「見守ることしかできない。何かあったら香奈ちゃんを支えてあげるんだ。でも、大輝のこともあるから…」




先生は頭をかいて考えていた。



「とりあえず、精神科に連れていかないとなんとも言えない」



かしこまった顔で先生は言った。



私は香奈が早くいつもの香奈に戻ってほしかった。


そのためだったらなんだって乗り越えられるよ。


先生は言っていたけど、私は先輩を重荷になんか思っていない。


むしろ、いてくれた方が私は安心する。


嫌なことがあったとき…


悲しいとき…


不安になるとき…


隣に先輩がいるだけで、私にとっては精神安定剤みたいに、私を安心させてくれる。





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