またね…
私は急いで病院へ向かった。



そこにはベッドで眠っている先輩。



でもピッ…ピッ…ピッ…




と耳障りな音。




これで先輩の心臓が動いてるかわかる。



でもいくら動いてても緊迫した空気はずっと同じ…




「美希ちゃん!」



来たのは先輩のお母さん。


「おばさんっ!先輩は…どうなちゃうの?」



「わからない…。でも…もしかしたら…」



その“もしかしたら…”の続きなんて言われなくてもわかる。





「嫌だっ!先輩っ!死なないでっ!」




私は先輩の手を掴んで言った。





私の言葉が聞こえたかのように先輩は目を開けた。





「先輩っ!嫌だよ…置いてかないで…私を1人にしないで…」



先輩はかすれた声で言った。




「お前なら…大丈夫…空から…見てるから…また…な…」




その直後、





ピ───────…




「先輩ぃぃ!」






4月25日午後3時06分




先輩は息を引き取った。







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