またね…
次の日、私は先輩に会えると聞いて学校に行ったあと、すぐに病院に向かった。




コンコン…



「失礼しまーす…」

部屋に入ると頭に包帯を巻いた先輩と先輩のお母さんがいた。




「先輩っ!無事でよかった!」



「あ、ありがとうございます。」





「先輩♪そんな堅苦しくならなくても〜」


元気な先輩を見て調子に乗っていた。


「あの〜、あなただれ?」






そうだ、先輩は記憶障害があるかもしれないって言われたんだ…




まさか、忘れたのが私だったなんて…




「大輝…、美希ちゃんよ!?わからないの?」


「いいんです。はじめまして…でも、ないんだけど私は大輝先輩の後輩の早川美希です。よろしくね」


あえて、彼女のことを言わなかった。

先輩が自分で気づいてくれることを待ってるから。


でも悲しいよ…

今までの思い出が全部、先輩の頭の中から消えちゃったんだね。


思わず涙を流してしまった。


いつもの先輩なら涙わ拭いてくれるのに

今の先輩はただ見てるだけ。



「よろしくね。早川…」




また早川からやり直しだ…



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