またね…

「あれ!?今何時?」


泣き疲れたのか、ベンチに座って休むはずが、何時間か寝てしまった。


時計を見ると4時だった。


「あーあ。もうこんな時間だ。」


独り言を言いながら先輩の病室へ向かった。



…コンコン



「失礼しまーす。」


いつも通り入ると先輩は寝ていた。



「せっかくハンバーグ作ったのに。」


最近、独り言が多いな。


そう思いながら起こすのも悪かったため、私は枕元にお弁当箱を置いて行った。


その時、私はお弁当箱に私を思い出してくれるように、と願った。






帰る途中、お弁当箱に誰からか書いておくのを忘れ、私はもう一度病室に戻った。






でも、手遅れだった。






私がドアに手をかけた瞬間…



中から声が聞こえたんだ。



「あ、起きた?おはよー。」



さっきの子だってすぐわかった。




「ん、おはよ。何これ。お前が持って来た?」


「え!?あ、うん。」


覗いてしまった。





私のお弁当箱じゃん。





最低…





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