またね…
私は学校を休んで先輩のところへ行った。


「先輩は?」

走ったためか息ができなくて苦しかった。

「今はよくわからない…。」



よくわからないって言われてちょっとホッとした反面どうなっているのかわからないという不安が混ざり合っていた。


「そうですか…」







先輩の病室の前は

シーンと静まりかえり、

時計のチクタクと一秒ごとになる音や

他の患者さんの声

看護師さんが通るたびにお辞儀をしてくれること。



全て、私には聞こえてないかのように…

まるで、1人で孤独に先輩を待っているかのように…
私はただ、先輩の無事を祈っていた。





ある看護師さんが言った。



「保護者の方、先生がお呼びです。」と。






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