またね…
これでわかるんだ。



先輩が大変だってことが。



私は今、先輩に何をすることもできない。


ただ、祈ることのできない自分が情けない。





何もできない自分が嫌。




せっかく思い出してもらえたのに…



と、思ってしまう自分が嫌。



私は自分のことしか頭にないのかもしれない…





自分の何もかもが嫌。





たまに考えてしまう。



もし、先輩が私と出会ってなければ…と。



私と出会ってなければこんな苦しい思いはしなかっただろう。







神様は何回私達に試練を与えれば済む?




これは単なる偶然?




私達は偶然出会い、偶然私が車にひかれそうになったところを先輩が私を庇ったために、先輩が記憶を失った。
そして偶然私を思い出した。
だけど偶然病気が発覚?




でもね、ある詩にあったんだ。



“偶然という名の必然”


と言う言葉を。




これが必然?



運命ってことかな。



なら私がずっと前に先輩に助けてもらったから



その何倍にもお返しとして助けてあげなきゃね。



そして…



偶然という名の必然で病気を治すんだ。





そう、私は決心した。



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