またね…
「結果…わかりました…」

目を赤くして来たのは先輩のお母さん。

ただ事ではない。

聞きたくない。

でも、この現実から逃れることはできないんだ。



「脳に変なコブがあるって…。それを取らない限りどんどん悪化して最後には…」

先輩のお母さんは泣いていた。



最後に待っているのは…


死という名の悲しい現実。

私はその現実をどう受け止めようか迷った。



でも、先輩は手術をすれば治るんだよね?



私はどうすればいい?


何もできない無力さを足の爪先から頭の先まで感じていた。




「このことは大輝には言ってほしくないの…」



「わかりました…。」


そうだよね。

そんなことを言ったら不安になるもんね。

私だったら不安に押し潰されちゃうと思う。





「美希!!来てたのか!!」

目に涙を溜めていたとき、誰かが言った。



私の愛しい人…






真山大輝…




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