【完】私は貴方を愛せない
私はLINEに『斗真君久しぶり。幸せそうだね』と送っておいた。
目の届く範囲にいる斗真君は彼女の話を止め、すぐに内容を確認している。
そしてすぐにキョロキョロと周りを見始めた。
「斗真君。お幸せに」
私なんかよりその子がお似合い。
正義の刑事さん。
天使のような子供っぽい貴方。
・・・私なんかに構わないで。
「杏奈さん!」
斗真君の声が聞こえた気がした。
けれど聞こえない振り。
私は通りすがりの橋の上から川に自分の携帯を投げ捨てた。