【完】私は貴方を愛せない



その足で新しい携帯を買って
祐樹に聞いておいた"タクミ"、いや吉崎さんに連絡をした。




「もしもし」


『やぁ、連絡くれると思っていたよ』


「・・・貴方が」


『タクミ。あらため吉崎匠。よろしくね』


「・・・どうして、私の父と母を・・・!!」


『おっと、その話は直接会ってしない?』


「いいわよ!だから早くしなさいよ」


『そういえば最近瀬川が元気ないけど、連絡とってないのか』


「貴方に関係ないでしょ」


『一応後輩だからな。気を使ってやらないと。まぁ、復讐中だったからしょうがないか笑』


「黙って・・・!誰のせいだと・・・!」


『お前のせいだ』



耳元で聞こえる低くて冷たい声。


しかも携帯の受話器とは反対側だった。

私は恐る恐る後ろを振り向く。




「僕から会いにきたよ」



吉崎さんを強く睨みつける。


でもそんなのはなんてこともないのか、涼しい顔で「ついておいで」と言われた。



「黙ってついて行くわけないでしょ」


「・・・ふーん?」


「ここでいいじゃない。話してよ」


「見た目とは違ってキツめなんだな。喋り方」


「今までは刑事と加害者。喋り方は敬語のつもりだった。けど、今はそんなのどうでもいい。見た目がどうとかいう前に早く言いなさい!」
< 108 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop