【完】私は貴方を愛せない
縛られた過去
数日後。
私は再び違う店にいた。
「ほら、早く咥えろ」
「・・・んっ」
「もっとちゃんと!」
「はぁっ・・・うっ」
どれだけの男と体を重ねたのか。
私にはもう覚えがない。
ある時は妊娠もした。
だけど、すぐにおろした。
愛のない子供なんていらないし、
私は家族を作る事も望んでいない。
だけど小さい頃の私の夢は誰かのお嫁さんになる事だった。
お母さんのウエディングドレス姿の写真を見た事がある。
とても綺麗だった。
お父さんもすごくかっこいい正装で。
私も高校生まではどこにでもいる普通の女の子だった。
普通に好きな人もいた。
普通に勉強もしていた。
普通にオシャレとかにも気を使って、
普通に友達と青春を過ごしていた。