【完】私は貴方を愛せない



「前田杏奈。お前の両親が死んだのも全てお前のせいなんだよ」


「・・・言っている意味が分からないわ」


「高校時代の事をよく思い出せ」


「高校時代?」


「お前は誰と関わっていた。誰と幸せに過ごしていた?」


「・・・涼介」


「そうだ。もう一人いただろ?お前にとって大切な人が」




どうしていきなりこんな質問を吉崎さんは言ってくるのだろう。


涼介意外に大切な人。

そんなの・・・もう一人しかいない。

それはあかね先輩だ。





「あかね、先輩?」


「・・・」


吉崎さんは屋上につくと、すぐに立ち止まった。



そして私を見る。

穏やかな顔をしたかと思うと般若のような顔になって私を押し倒してきた。



「きゃあっ」


「あかねの事忘れたとは言わせないぞ・・・?」


私と吉崎さんの顔の距離が3センチほどしかない。

真っ赤になった彼の顔は今にも私を襲ってきそうだ。




「あかねはお前に殺されたんだ・・・!」


「あ、貴方はあかね先輩のなんなの!」


「俺はあかねの幼馴染だ!!」


「幼馴染・・・?」
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