【完】私は貴方を愛せない
その後、私はパトカーに乗って警察へと連れていかれた。
事情聴取を受け三人の男性を殺したと自供する。
懲役何年になるのだろう。
それはまだ分からない。
けれど、長い事を覚悟するしかない。
今日はもういいという事で留置所に入れられた。
体操座りをして目を閉じる。
浮かんでくるのは斗真君の笑顔だった。
「・・・待ってて」
ふと、脳裏に浮かぶのは吉崎さんの最後の姿。
彼のおかげで真実を知った私。
まだ心の痛みは消えない。
高校時代の自分が
今の自分を作ったのだ。
あかね先輩。
ごめんなさい。まだ私は死ねません。
そっちへ行って謝るのはもう少し先になりそうです。
あかね先輩の分も殺してしまった三人の分も幸せになります。
私を理解してくれる彼と共に。
お父さんとお母さん。
今まで復讐の事ばかり考えていてごめんなさい。
きっと二人はそんな事望んでいなかったよね。
・・・二人とももう安心していいから。