【完】私は貴方を愛せない


・・・卒業式の会場にお父さんとお母さんが来なくてすごく不安だった。


結局。
式も始まって、私の名前が呼ばれて。

何度保護者の席を振りかえった事か。


でも、全くくる気配がなくて。



そして式が終わってから
担任の先生に何があったのかを伝えてもらった時。

目の前には絶望が広がった。

希望?そんなものもどっかへ行ってしまった。



私は急いで病院に駆けつけて
二人の変わり果てた姿を見た。


吐きそうになった。
だけど、涙もあふれ出てきた。


水の中にどれだけいたのだろうか。

体は膨らみ、
顔は念入りに殴られ
見る影もなくなっていた。


どれほど殴られ、
どれほど蹴られたのだろう。

最後に二人は何を思ったんだろう。






私が少し落ち着いた頃に
警察の人たちが『貴女の両親は殺された』と聞かされた。



そんな事言われなくても見れば分かる。
そう言い返したかったけれど、言えなかった。



そしてどのような経緯で二人が殺されたのか
その時点では分かっていなかった。


それは警察が無能だったから。



私はいてもたってもいられなくなり、二人の生命保険から降りたお金をふんだんに使って探偵を雇った。


おかげで警察でも得られていない情報を私はゲットする事ができた。



およそ一年。
事実を得るまでにかかった年数だ。






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