【完】私は貴方を愛せない
男は単純。
少しでも観察しておけば簡単に操る事ができる。
たとえどんなに大人な男の人であってもだ。
彼もその一人にすぎない。
「分かりました!私頑張ります!」
「うん。そうして?」
「じゃあ今日はごちそうになりますね」
だから
一夜を共にすれば
すぐに受け入れてくれる。
もちろん一人目もそうだった。
「・・・今日、僕の家に泊まってみる?」
「えっ・・・」
「嫌ならいいんだけど」
ほらね。
きっと最近女の人が近くにいなかったから簡単に引っかかる。
全て計算済み。
この人がワインを買う事も、
どの道を通るのかも、
私をどこの店に連れてくるのかも、
家の場所も、何もかも分かっていた。