【完】私は貴方を愛せない

男は単純。


少しでも観察しておけば簡単に操る事ができる。


たとえどんなに大人な男の人であってもだ。

彼もその一人にすぎない。




「分かりました!私頑張ります!」


「うん。そうして?」


「じゃあ今日はごちそうになりますね」




だから
一夜を共にすれば
すぐに受け入れてくれる。


もちろん一人目もそうだった。



「・・・今日、僕の家に泊まってみる?」


「えっ・・・」


「嫌ならいいんだけど」



ほらね。

きっと最近女の人が近くにいなかったから簡単に引っかかる。


全て計算済み。


この人がワインを買う事も、
どの道を通るのかも、
私をどこの店に連れてくるのかも、
家の場所も、何もかも分かっていた。
< 23 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop