【完】私は貴方を愛せない
*The past 最初で最後

-8年前-



私が涼介と出会ったのは高校一年生の夏。


友達に誘われて野球部の応援に行った時の事だった。






--------------




フェンス越しに見る野球部の人たちは、皆汗を流しながら笑顔ですごくキラキラしていた。


その中でもひと際輝いていたのはピッチャーの一人。



背が高くて、バッターを見つめる瞳はすごく凛々しい。


体つきもしっかりしている。

私は思わず息を飲んだ。


彼のボールに見入っていた。

ううん、彼自身にも。




それが涼介との最初の出会い。


はっきり言って私が一方的に見つけてしまっただけ。



その日から私は少しでも彼の近くにいたいと思い、野球部のマネージャーに入る事にした。






「前田ちゃん、このユニフォーム洗っておいてくれる?」


「分かりました!」


「前田ちゃんはよく働いてくれてあたしも嬉しいわぁ♪前にやめた子なんて深田目当てに来るやつばっかで仕事なんて全然しないし、本当助かる」



少し男前な1つ上の日比谷あかね-ヒビヤアカネ-先輩。


ショートヘアがよく似合う笑顔が素敵な先輩だ。


< 40 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop