【完】私は貴方を愛せない

私も深田君目当てでマネージャーになったって言ったら、先輩どう思うのかな・・・。


目当てって言っても憧れてるだけなんだと思うけど。


ちらっとあかね先輩を見る。

もう私には目もくれず、練習する部員の人たちに大きな声で応援していた。



私もその姿をユニフォームが入ったかごを握りしめて見つめた。


すぐに目に入るのは深田君。

私と同じ新入生なのに、もうレギュラー入りらしい。



太陽の下でボールを投げる深田君はとても綺麗。



先輩たちにも認められていて、後輩にレギュラーの座を取られたからと言って意地悪する人たちも誰もいない。


「ほら前田ちゃん!ユニフォーム!」


「あっ!はい!」



私は急いで野球部専用の洗濯機に向かった。


汗と土で汚れているユニフォームを一枚ずつ洗濯機に入れていく。



「・・・皆、頑張ってるんだな」


一人ぼそっと呟いた。

滴り落ちる汗を右腕で拭きとる。




「前田。いつもサンキューな!」


「え?」



振り向くとそこには深田君が立っていた。



「あれっ!でも!さっき・・・」


「ちょっと水かぶりにきたんだよ笑」


洗濯機の隣にある水道に用があったんだ。

・・・それにしてもびっくりした。


私はまじまじと深田君を見つめてみた。



深田君は着ているユニフォームで汗を拭きとっていた。


腹チラが目に入り、顔が赤面する。

鍛えられた体と気になる深田君が目の前にいるんだから胸の高鳴りが抑えられない。






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