【完】私は貴方を愛せない
「顔真っ赤。女の子なんだから太陽の下にあんまりいるなよ?」
ぽんと頭の上に置かれた大きな手。
急な出来事に胸の高鳴りはさらに大きくなった。
「うん・・・」
「前田はあかねさんにも見込まれてるし良かったよ。あの人、嫌いな子は即やめさせるからさ」
「ああ、そういえば深田君目当ての子が多すぎてって言ってたなぁ。モテモテだね深田君!」
「大げさなんだよ・・・。俺目当てとか笑 かっこよくもないし、告白だって高校入ってからまだされたことなんてないよ」
そう言いながら被っていた野球帽を脱ぎ、深田君は水を頭からかぶった。
「うっひょおおお気持ちいい」
私はそんな深田君を見て、なんだか不思議と笑顔になった。
そして静かに「私は野球してる深田君すっごくかっこよくて大好きだけどなぁ」と呟いた。
あまりにも自然に出た言葉に私は驚き、口に手を当てる。
深田君も動きを止めた。