【完】私は貴方を愛せない
「はぁ…はぁ…」
息が荒い私に比べて深田君は普通だ。
「大丈夫か?」
「だ、だいじょう・・・ぶ」
「じゃなさそうだな。悪かった」
「いやっ、全然…」
「迷惑だったか?俺の・・・そのなんていうか」
「迷惑なんて、そんな!!!!」
目の前に立っている深田君の制服をぎゅっと掴んだ。
そして小さな声で「ありがとう」と言う。
少しだけ恥ずかしくて俯きながら。
「な、もしあれだったら・・・俺がお前を守ってやるよ」
「え・・・」
「小動物みたいでほっておけないよ。お前」
「深田君・・・?」
私は背の高い深田君を見上げると、軽く優しいキスをされた。
今目の前で一体何が起こっているのか。
自問自答してる暇がないほど、とても心地よく幸せな瞬間だった。