【完】私は貴方を愛せない
涼介と体を重ねた事が分かったのか、あかね先輩は私に「可愛くなったねぇ」とニヤニヤ話しかけてくる。
もちろん涼介にも色々言っている様子。
顔を真っ赤にして野球の練習に戻る涼介の姿に私は笑顔で応援した。
「残念ながら今年の甲子園は決勝にもいけるかどうか分かんないなぁ」
あかね先輩はそう言いながらベンチに座る。
私もその横にちょこんと座った。
「今年野球部に入ってきた女子はみーんな深田目当て。男子は前田ちゃん目当て。どういう事なの一体!!真剣な子いないの!?あーもうイライラする!!!」
貧乏ゆすりが激しくなるあかね先輩に私は頭を下げた。
「ごめんなさい・・・。私のせいでもありますよね」
「謝んないでよ!前田ちゃんと深田はいい宣伝にはなったんだけど・・・二人が付き合ってる事はなぜか知らないって奴らが入ってくるだけだしさ!・・・ラブラブっぷりを見せつけてやりなよ」
「あはは、涼介とは約束してるんです。野球をする時はマネージャーとピッチャーだって」
「固いね~」
「そうですかね?」
私は空を仰ぐ。
私たちを照りつける太陽が目に痛い。
すごく暑いけど
でも野球部に入ってよかったと今心から思う。
私は立ちあがって選手の皆に大声で応援をし始めた。
あかね先輩も立ちあがり一緒に応援をし始める。
「がんばれーーーー!!」