【完】私は貴方を愛せない
そして・・・甲子園が始まった。
あかね先輩の予言は大外れ。
どんどん強豪校を倒していき、なんと決勝戦。
私も声がかれるほどフェンスの向こうで応援しまくる。
皆の汗がとても眩しく感じた。
「キャアアアアアアア!!」
嬉しい叫び声と共に分かる結果。
なんと私たち野球部は優勝した。
最終回にサヨナラホームラン。
なんて漫画なんだろう。
だけど嬉しかった。
心から喜んだ。
「あかね先輩!!!」
「前田ちゃーん!!!」
私たちは抱き合って優勝を喜んだ。
打ち上げの準備もそそくさと始まる。
「あ、ちょっと私電話してきます」
「了解!!・・・ああ、深田?」
「・・・はい!」
私は携帯電話を握りしめ静かな場所に向かった。
プルルルルと無機質な電話音が鳴る。