【完】私は貴方を愛せない


涼介はこの甲子園の途中で右肩を負傷。

決勝戦には出られず、病院で入院していた。



『もしもし!』


興奮する涼介の声が電話越しに聞こえる。


「涼介!!!!」


『やったな!テレビで見てたぞ!』


「そうなの!!」


『すっごい感動したよ!あー俺も球投げたかった』


「・・・うん。涼介、来年は一緒に決勝戦の会場に行こうね」


『待てよ。それ俺のセリフだから』


「え?」


『本当は今年も俺らは優勝できなくて、俺も腕負傷して、電話先で杏奈の泣き声聞きながら"来年も俺が決勝戦の会場連れてってやる"って言いたかったのによ』


「・・・もうっ!笑」



元気で安心した。


本当はもっと元気ないかと思っていたから。



ううん。
きっと私には隠してるに違いない。



「涼介、大好き」


『急にどうしたんだよ』


「んー?なんとなく!」


『変なの笑』




こうして私たちの二回目の夏も終わりを告げる。
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