【完】私は貴方を愛せない


「じゃあさっそく舐めてよ」


「分かりました」


「やっぱりやめた。お風呂一緒に入ろう」


「・・・はい」


「んーそれよりも目隠しとかしていい?」


「いいですけど」


「縛るよ」


「縄と目隠し用意します」


「・・・」




男性は何度も意見をころころとかえてきた。


私はそれを淡々と返す。

その受け答えを聞いた男性は今までとは一変して静かになった。



「お客様?」


「なんだよおおおおおおお」


「・・・!?」


「つまんないよ!お前つまんない!なにそれ!そのまるでマニュアル通りに言いました的な返し!!!何がNo.1だよ!!」



その人は一息でそう言い切ると思いきり私の右頬を殴ってきた。


私はよろけて、ベッドの方によろよろと倒れ込む。




「つまんないつまんない。本当につまんないなぁお前。泣いてみろよ泣け。早く泣け」


私のお腹、背中。

至るところを殴ったり蹴ったりしてくる。



激しい痛みに耐えながら私は目を閉じた。


「ひゃっはははははははは」




狂ったお客の人もいると聞いていたけど、この世界に入って初めてだ。
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