【完】私は貴方を愛せない
「ありがとうございます」
私は怒りをおさえながらお礼を言った。
「いやいや。それより、毎日あのお客におさわり的な事されてたんだよね?はっきりやめてって言わなきゃ駄目だよ」
「・・・私、そういうのだけは苦手で」
「そっかぁ・・・」
「これからは気をつけます」
「うん!・・・そうだな。でもオーナーとして、社長として君には楽しくない仕事を味わわせちゃったからね。お詫びさせてくれよ」
「えっ!?お詫びですか?」
「そう!って言っても俺の経営してるホストに無料でご招待!って感じなんだけど。どうかな??」
「いいんですか?」
「もちろん!」
「じゃあ、行ってみたいです」
「分かった。今日はもう仕事あがりな?外で車出して待ってるから。ああ、恰好はそのままで十分だよ。きっとホストの皆もこんな綺麗な子がきたら驚くんだろうな笑」
「そんな。私なんて全然ですよ」
「謙遜は女の子にとって必需品だよね笑。じゃあゆっくり出ておいで」
「はい」
彼はそう言うと車のキーをポケットから出し、人差し指でくるくる回しながら店を出て行った。
私も急いでお店をあがり、給料をもらって外に出る。