【完】私は貴方を愛せない



柳沢さんは少しだけまだ意識はあるのだろうか。

私に肩を預けるものの、女だと分かって力をあまりかけないでくれている。



「もっと寄りかかってもいいんですよ?」


私がそう言っても首を横に振る。


「柳沢さんってこんなときでも優しいんですね」


その後はお互い無言でラブホの中へと入って行った。



店内に入り、部屋を指定する。

すぐにエレベーターに乗って指定された番号の部屋へと入った。




中に入るとすぐにフラフラと柳沢さんはベッドに倒れ込む。


私もその後を追って、ベッドに座った。





「柳沢さん?」


私がそう声をかけても返事がない。



「寝ちゃったんですか?」



返ってくるのは寝息。

・・・この瞬間を待っていた。



持ってきたバックの中からビデオカメラとデジカメを取りだし、ベッドの横のテーブルに設置した。


もちろん録画や自動撮影ボタンを押している。


私は急いで服を乱し、柳沢さんの隣に寝る。

そして眠っている柳沢さんの体をわざと自分の体に乗せ、手を敏感な部分へと置く。



「やめっ・・・柳沢さっん・・・ああっあん」


まるで私にいやらしく触れているように柳沢さんの手を動かす。


「駄目っ・・・ああっ・・・ひゃっ・・・あんっああ」



空しくまわるビデオカメラとデジカメのシャッター音。


私は柳沢さんと最後にキスをした。
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